篠田麻里子さん退任の福岡市「カワイイ区」事業のドロドロ

実態は実働ゼロ


篠田麻里子区長の名刺(公式FBより)
 福岡市作成の仕様書によると、篠田さんは3、4回のイベントなどへの出演という計画が記されている。しかし、実施にイベントへの出演はかなわなかった。「出演の調整はしたのですが…」と福岡市は説明する。

 そんな超多忙なタレントを福岡まで呼ぶことは困難であり、スケジュール確保が難しいことは、あらかじめ予想されていたことだろう。結局は任期をあと1カ月残して退任することになってしまった。ちなみに、3月にはこの事業の重要イベントであるアジアファッションウィークが行われ、篠田さんにも出演を打診するところであったが、それもかなわなかった。

 福岡は男性的なイメージが強いが、「カワイイ」というコンセプトで国内外に新たな魅力を発信していこうというもの。女性がカワイイという以外にも、都市、食、歴史・風土、産業・文化がカワイイという魅力を発信することを目指した。

 ただ、男女共同参画審議会に4件の苦情が寄せられた。女性の容姿を強く連想させるというもので、不適切だとしたのだ。この点について、福岡市は「女性のことだけを言っていたわけではありませんが、コンセプトにわかりにくい点はあったかもしれません」と説明した。

 2月1日時点の登録者数は4万1833人。区長の退任を発表してから2月21日には4万1475人と、ほとんど減っていない。それだけ期待の大きさをうかがわせるものでもあり、事業の継続を目指していくが、市は「今後は(区長の)人選も含めて早急に決めたい」とした。

 たかが4件の苦情で区長退任というのは何か他の事情があったのかさえ勘ぐりたくなるが…。ここまでのプロセスはともかく、宣伝効果が高かったことは評価できそうだ。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる