厚労省は、森永ヒ素ミルク事件の関連訴訟の書類を地下鉄で遺失したと発表した。飲用者証明書の交付対象者(455人分)など個人情報も含まれており、持ち出して遺失したモラルは厳しく問われそうだ。
同省によると、2月20日午後11時ごろ、東京メトロ丸ノ内線内(東京~荻窪)で、食品安全部の職員が帰宅途中に、関連する書類を入れた紙袋を座席上の荷物置き場に置いたまま、下車する際に確認したところ、なくなっていたという。
この書類は、裁判関係資料を綴ったファイル2冊(訴状の写し、準備書面の写し、参考資料等)で、訴状の写しには、原告関係者(3人)、国以外の被告関係者(10人)の氏名・住所などが記載されている。
また、参考資料には、昭和54年当時の森永ひ素ミルク飲用者証明書の交付対象者(455人分)のリスト(氏名及び居住市町村を記載)が含まれているという。
厚労省は事後の措置として、東京メトロと警視庁丸の内警察署へ遺失を届け出た。また、原告ら13人に対して事情説明と、お詫びを行ったという。森永ひ素ミルク飲用者証明書の交付対象者の対応については、被害者救済事業を実施している公益財団法人ひかり協会と協議を行っていくという。