麻生家が「ぎょうせい」買収でマスコミ業界にも進出

実は手堅い投資


 ぎょうせいは、創業者が投資家としても知られ、株の大商いで大儲けした。創業家出身の前社長が相続税法違反で逮捕され実刑となっている。それが一つのきっかけとなり、その後は2005年にプラネットホールディングスによるMBOで創業家の支配は終わっている。プラネットホールディングスは、旧第一勧業銀行と縁が深く、投資会社のような側面を持ってもいた。

 今回の買収にあたっては、買収金額は明らかにされてはいない。みずほ銀行が約300億円を融資しており、買収額はそれ以上になるということか。ぎょうせいの強味は、官公庁とタイアップした出版物を手掛けることも多く、それで稼ぎを出してきた点にある。

 構造不況の代表的な業種でもあるマスコミだが、官公庁の出入り業者の一人は「官公庁とのタイアップの仕事があるというのは、出版社としてはひじょうに大きいのではないでしょうか。ただ、時期が微妙なだけに隠しておきたかったのが、本音ではないでしょうか」と語る。

 ぎょうせいの買収は損な買い物ではないのかもしれない。麻生家はなかなか投資上手のようだ。ただし、時期的に憶測を呼ぶため、あまり大っぴらにはしたくなかったようだが。

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