佐々木りえ氏「5年間タダ働き」の芸能生活を訴え

無報酬のタレントは皆無ではない?

 スカウトされてから契約書を交わす際に、「月給制と言われた」(佐々木氏)という認識だった。しかし、一方で事務所社長の牧野昌哉氏は尋問で「報酬は(佐々木氏)本人が無償でもいいのでやりたいということだった。選挙でもそうだったように夢を叶えるために(仕事を)する性格なので、お金をどうこう言う性格ではないと思う」と反論している。

 佐々木氏は「今は無給だけれども、そのうち月給制になると聞きました」と述べ、両者の主張は食い違う。

 無論、芸能プロの経営はタレントを売り出すまでに多額の投資を必要とする。売れるまでタレントは二束三文の報酬を覚悟しなければならないのは、業界の常識でもある。

 ただ、このケースのように約5年もの間、まったくの無報酬ということはありうるのだろうか? ある中堅芸能プロ社長は「わたしの知りうる限りではありません。ただ、話を聞くかぎりはないこともないのかと…」と打ち明ける。

 また、前出の中堅プロ社長によると、タレントを自前のスクールに入れて高いレッスン料を取るなど、実はそちらを経営のメインにしている事務所もあるという。だが、佐々木氏の事務所の場合は違い、レッスン料は取っていなかったという。「うちは取っていないので、タレント本人の持ち出しはゼロです」と牧野社長は証言している。

 レッスン料こそないものの、実際には交通費もすべて持ち出しという実態は看過できないものがある。

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