PETを導入
前出の復命書によると、医師の充足率は199.0%、看護師と準看護師は435.0%、薬剤師は175.0%と、従事者不足の悩みは全国の病院が抱えている中で、この手厚さは、東電病院の一つの強みだ。また、患者の立場からしても、患者が少ないことから待ち時間が短いことは、ありがたい限りだ。
さらに、もうひとつ気になることは、「PET」という検査機器を備えていることが判明した。PETとは1回の検査で早期のがんを含めてすべてのがんを発見できる機器のことだ。
設置している病院も都内では、国立がんセンターがん予防・検診研究センター、東大付属病院、慶応義塾病院、国立国際医療研究センター、日本医科大健診医療センターなど大規模な設備の病院ばかり。それだけに患者数がごく限られている東電病院には分不相応とも言えなくはない。
「1台で10億円くらいする検査機器で、検査は1人1回あたり10万円くらいかかるものです。まさか、職域病院でこの機器があるのは驚きました。やはり、検査がメインの病院では?」(別の医師)との疑問は出てくる。
計画では、東電病院は来年度中に売却される予定だ。
東電は、原子力損害賠償機構からすでに、約2兆3000億円以上を受け取っている。さらには一般部門、規制部門とも電気料金の値上げを行うなど、ユーザーに負担を強いている。我々ユーザーは売却の行く末には注目しなければならない。