関経連会長続投、寄付金出せない前代未聞の財界トップ

 関西経済連合会の会長職を、関西電力の森詳介会長(72)が任期満了となる5月以降も務めることになった。関電は大赤字で、料金値上げ問題から寄付金を電力原価に含めることができなくなった。古い財界関係者は「ほかの企業に会長職を譲るのが筋」と予測したが、異なる結果に。プロジェクトの寄付金集めの際、筆頭を務めて“奉加帳”を回すのが関経連会長会社の重要な仕事だが、それができない会長を頂くことになったわけで、「前代未聞の財界トップ」(財界OB)と嘆く声が聞こえている。

問題となる「奉加帳」


関西電力本社
 続投宣言は3月11日の記者会見だった。森会長は「副会長の皆さんから続投の要請を受けた」と説明したが、「関電側が次に依頼することをしなかっただけ」と解説する向きもある。

 森氏は2011年5月から関経連会長を務めている。任期は2年で、交代するとすれば今年5月は切りがいい。だが、関電側は「最低2期4年やるのが通例」(40代社員)と説明することが多く、続投する土壌作りに必死だった。

 だが、かつて2年で譲った関経連会長はいたし、なにより、大赤字の会社が資金負担が大きい財界トップを務めることは、一般人には理解しにくい。

 実際、関西企業はいま、“奉加帳”の問題を心配している。

 関西国際空港やスパコンの京など関西プロジェクトに対して、関西企業には出資や寄付の依頼がある。その取りまとめをするのが関経連会長会社だ。

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