会長会社が前代未聞の0円
ある財界関係者はこう説明する。「会長会社がまず出す金額を決めて“奉加帳”を回す。副会長会社、その他の会社は会長会社の金額を参考に出す額を決めるのが通例。大赤字の関電はどうやって奉加帳をまわすのだろうかと、心配になる」
関電はこれまで、地域貢献に関係する寄付金を、電力原価に含めていた。だが家庭用電力の値上げで寄付金は問題になり、来年度からは原価に含めることができなくなった。
2013年3月期決算で2650億円の最終赤字を見込み、原発再稼動が不透明で経営が改善しない中、原価外でも財界関連費をやすやすと出すことなどできない。
「関経連会長会社が奉加帳の筆頭を務めながら、自らは寄付金ゼロ…などということになれば、前代未聞」(財界OB)というわけである。
関経連副会長会社には、住友電気工業、ダイキン工業、阪急電鉄など、ほかにも会長職をできそうな企業はある。森氏は「副会長の皆さんから続投要請を受けた」というが、「本来なら、関電側が土下座してでもほかの会社に会長職を頼むのが筋だったが、そんなことをしたとは聞かない」(財界関係者)。