【海外不動産】マレーシア不動産は本当に買いか? 利害関係者大激論

「相続税も住民税もないマレーシア」

 「富裕層がマレーシアを狙っているのはずばり節税や相続に使えるからでしょう」そう語るのは税理士のH氏だ。2013年の確定申告から、海外に5000万円超の預金や不動産を保有している場合、所轄の税務署への申告が義務付けられたのをご存知だろう。

 悪化する財政赤字の中で、今後富裕層への税率がどんどんと引き上げられていくのは間違いない。ただ、マレーシアには日本のような相続税や住民税はない。

 不動産売却も取得から5年を経ていれば譲渡税がゼロ(それまではキャピタルゲインの5%)。日本に住んでいれば海外の資産にも日本の相続税が及ぶが、相続人、被相続人共に5年以上日本に居住していなければ日本の相続税は適用されない。

 またマレーシアの銀行で、単身口座だけでなく夫婦や親子の共名義同口座を作れるのも魅力的だ(ビザが必要)。

「ローンを組むことで2年で1億円の含み益」

 「ローンを組みレバレッジをかけて数件に投資する人が多いですね」そう語るのはこの道10年以上、いち早く日本にマレーシア不動産を紹介した不動産会社のS社長だ。

 「2011年、ある50代男性会社員は住宅ローンを利用しながらアジアに3軒、欧米に2軒、合計5軒の海外不動産を手にしました。この男性は自己資金2割で残りは現地銀行の住宅ローンで資金を調達。5年を一区切りとして短期のキャピタルゲインを狙っています。まだ売却していないですが2年間で既に1億円近い含み益を得ています」と付け加えた。

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