【海外不動産】マレーシア不動産は本当に買いか? 利害関係者大激論

新築なのにヒビが入ったコンドミニアム

 しかし、長くマレーシアに住んでいる人ほど実は買っていないことが多い。マレーシアに10年以上住むM氏夫妻もそうした一人。


 「実際に買った人が苦労しているのをたくさん見てきていますからね。新築のコンドミニアムにヒビが入っていたり、苦情を入れて直してもらおうにも何せ時間がかかる。それも色の異なるペンキをヒビの入った場所に塗って終わりとかとにかく雑なんです」

 筆者も現地で築7~8年のコンドミニアムを見学したとき、築年数の割りに随分と汚くなっていると感じた。特に建物の周辺、敷地を囲む壁などに大きなヒビがいくつも入っていて修繕されていない。「管理の良いコンドミニアム」といって見せてもらった物件だけに通常のコンドミニアムの修繕状況は大いに不安を感じる。

 マレーシアの建物の寿命が全体的に短く、「東南アジアの建物の寿命ははっきり言って日本より短いです」と語るのは前述の不動産会社S社長だ。

 「僕はお客さんにはマレーシアの不動産は短めに保有することを薦めているのです。プレビルド(完成前)で買って3~5年ぐらいで売却しキャピタルゲインを得るというモデルです」という。

 投資としても、実住用としてもどちらにしても、一長一短。購入する場合は、ここに挙げたようなメリット、デメリットの声は大いに参考になるだろう。

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