【海外不動産】マレーシア不動産は本当に買いか? 利害関係者大激論

大型プロジェクトに期待するのは危険

 またS社長は同時に大型プロジェクトに期待する危険も指摘する。

 「マレーシアの国家プロジェクトは実はかなりの割合で頓挫してるんです。近年ではクアラルンプール郊外のプトラジャという首都移転計画が頓挫している。今、ジョホールバルのイスカンダル計画が脚光を浴びていて、僕の会社にも市場(需要)が押し寄せているのを感じるのですが、僕は自分の会社で仲介するにはもう少しプロジェクトを見極めてからにしたいと思っています。」

山高ければ谷深し

 実際にジョホールバルに何十年も住む現地の不動産仲介業、華僑のS氏もまったく同意見だ。

 「特にジョホールバルは皆が投資目的で実際に住む予定の人が少ないですからね。中でもプロジェクトありきでここ1~2年価格が急上昇しているヌサジャヤ、メディニ地区、セントラル地区などの開発エリアは落ちるときの速度も激しいでしょう。はっきり言ってバブルなんですよ。僕自身は、イスカンダルプロジェクト絡みで熱くなっているエリアの物件はお薦めしていません」

 総括するとマレーシア不動産はプロジェクトへの期待値から価格が上昇し、投資の旨みはそのプロジェクトにかかっているだけに、売り買いのタイミングが重要ということだ。次号では20代でわずか1-2年の内に5つもの物件を購入。プロジェクトを見極めて勝負をかけている在マレーシアの日本人カップルに物件選びのコツを聞いてご紹介する。

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