今年も中国では「両会」(「全国人民代表大会」と「中国人民政治協商会議」)が行われ、大富豪代表が83人も出席し、今年もその存在が目立った形だ。
中国の民間調査機関「胡潤研究院」の報告によると、今年は合わせて83人の億万長者が代表として両会に出席した。このうち全人大代表は31人で、政教委員は52人。その数は昨年と比べて17%上昇した。彼らの資産平均は33.5億ドル(約3000億円)だ。
胡潤研究院によると、3回連続で全人大代表に選ばれている、宋慶後(Song qing hou)氏は、中国トップの大富豪で、資産総額は130億ドル(約1兆円)。また去年ブランド物で着飾って出席し目立っていた、広東恒大集団の許家印(Xu jia yin)氏の資産総額は77億ドル(約7000億円)。ちなみに今年は目立たない普通の格好で姿を表したという。
全人代代表や政協委員となることは、富豪がビジネスを進める上では非常に有利なことになる。両会は、トップ官僚たちと交流するための絶好の機会なのだ。中国では、富豪と政界人との距離が益々近くなっている。
香港誌「開放」の編集長・金鐘(Jin zhong)氏は、「富豪ランキングに登場する富豪は民間の起業家たちだが、更に多くの“紅い資本を持つもの者たち”が存在するとし、その数は驚くべきもののはずだ」と指摘する。また、こうした金と権力の混在は、習近平氏が掲げる改革の大きな足かせとなるだろうとしている。