ジョージ・ソロス氏は5日、香港で米CNBCに出演し、日銀が政策決定会合で決めたさらなる金融緩和政策について言及し、「日本がやっていることは、まったく危険だ。投資家が海外へ出ていけば、円の下落はこれから雪崩を打つように進んでいくことになるだろう」と述べた。
日銀が政策決定会合で、消費者物価の上昇率2%という目標を2年で実現するとさらに明確にし、長期国債保有や、リスク資産購入を打ち出したことについて、ソロス氏は「大きな政策決断」と一定の評価をした。
しかし、別の側面を指摘し「日本がやっていることは、まったく危険だ。投資家が海外へ出ていけば、円の下落はこれから雪崩を打つように進んでいくことになるだろう」と述べた。外国人投資家、さらには日本人投資家の資金が海外へ出るようなことがあれば、円の弱体化がさらに進んでいくとの警告を発した。
また、日米で比較し、緩和政策のやっていることは同じだが、日本のGDP規模は米国の3分の1程度のため、さらに「米国の金融緩和政策で起きたことの3倍以上も強力なものになる」とも語った。
自身は年末からの、円安で1000億円近い利益を出したともされるなど、デビッド・アインホーン氏、ダニエル・ローブ氏らも年末の日本関連の投資で巨額の利益を出したとされている。