「福島は人が住めない」と決断を首相に迫る

 5日の衆院予算委員会で原発関連の集中審議が行われ、東電福島第一原発事故の被災者の帰還について、安倍晋三首相は「ふるさとに帰りたいという人たちの、責任を果たせという思いと向きあっている。その中で、いつまで待てばいいという課題あるが、検討しながら判断していきたい」と述べた。中田宏委員(日本維新の会)の質問に答えたもの。

 福島県は2011年3月から13年1月までの間に県外への転出数が14万6265人となるなど、原発が立地する地域はもちろん、他の地域からも県外に転出する人も多く出ている。廃炉まで40年の計画で臨むが、安全面以外にも、子供の成育、補償や生活など様々な問題を抱えているのが現状だ。

 中田氏は「ずっと戻れない、と決断をしないと、(被災者は)このままの人生を過ごしていくことになりますよ。どこかで政治の決断が必要だと思います。戻るべきではないと国が決断をして、被災者の生活支援をしていくべきだと思いますが」と質問した。

 安倍首相は「検討しながら判断していきたい。どう判断するかについては、住民のみなさまのお気持ちに寄り添う必要がある」と述べるにとどまった。

 また、放射性廃棄物の中間貯蔵施設の建設についても、中田氏は「人が住めないということをハッキリさせて、最終処分の場所にするという、政治はどこかで決断すべきだと思う」とした。

 その際の説明として、東京・台場を最終処分場とすることを例として出して、廃棄物を(運搬車)200台で運んでも1万日掛るとしており、中間貯蔵施設から最終処分場に移すだけでもたいへんなことだとした。

 廃炉のスケジュールについて、茂木敏充経産相は「廃炉の問題は急いでいかないといけない。現政権では、1~4号機の状況が違うので、号機ごとにどう廃炉にするか、ロードマップの見直しを6月までに行う」とした。

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