不動産関係で景気のいい話題が出始めるようになってきた。1980年代のような強烈なバブルが再来しているのかと思いきや、現状では価格にはそれほど大きな反映は見られないようだ。というのも実際は富裕層の相続税、消費税がアップする前の対策だという。
珍しい売り物件の「弾切れ」
高額不動産の取引を行うある業者は、案内する物件が一時的に「弾切れ」の状態になっていることを嘆いた。「押し買い」とは金価格が高騰している時に、押し売りの反対で無理やり安値で買い取っていた、一部の業者が行ったあくどい手法だ。
このように不動産業界関係者は、本格的に不動産が動き始めてきた手ごたえを感じ取っているようだ。東京都心部のある分譲タワーマンションでは、説明会に問い合わせが殺到して追加で開催したり、資料も追加で作成するなど対応に追われているそうだ。
また、価格帯が(4990万円~4億4980万円、最多価格9100万円台)の「パークコート千代田富士見ザタワー」の売れ行きが良かったことも、業界的には盛り上がっている要因の一つではある。
不動産経済研究所が先日発表した、3月の首都圏マンションの発売戸数によると、5139戸で前年比約50%増。さらに契約率でも82.1%となり、8割超えは昨年8月以来7カ月ぶりとなった。高額物件だけでなく、全体的に業界的に楽観的な見通しが広がるが、価格を決める一方の要因である買い方が増えていることもある。
ただし、いわゆる価格が激しく値上がりする「バブル」という現象でもないようなのだ。