相続税と消費税がともに増税前
ある不動産業者は「アベノミクスの影響かどうかは断言できませんが、相続税や消費税の増税をにらんだ対策として資産のある方が見に来られているようです」と話す。
先日は、孫を連れた初老の老人が内覧に来たそうで、営業マンは「お孫さんは、ご自宅と比べてどうも気に入らないようで、ご立腹な様子でした。終始、ご機嫌ナナメでした」と話す。これなどは、一世代分のクッションを置いた節税狙いなのだろうか、などと考えられるケースだ。
現在は円安・株高だが、富裕層がその先に見据えているのが、相続税と消費税のアップだ。億ションを購入する場合は、消費税率が5%から8%に上がっただけで、数百万円も違いが出てくる。こちらは来年度に、その時の景気情勢を見極めながら決定されるが、ほぼ既定路線のようだ。
さらには、相続税でも最高税率は、現行の3億円超(控除額4700万円)が50%となっているが、平成27年1月からは、相続税6億円超の人を対象に55%に引き上げることになる。
つまり、2つの増税がまだ来ていない今のタイミングが、まさに買う時期ということになる。
買い方の動向はそうだが、売り方がじっくりとタイミングを見計らい始めたようで、このあたりの動きにも注意が必要だろう。