1億円以上失った投資家が続出?のMARS投資

 米国の診療報酬請求債を運用対象とした「MARS」(マース)投資を募集する、MRIインターナショナル(東京・千代田区)の預かり資産約1300億円の大半が消滅している可能性が浮上した。すでに証券取引監視等監視委員会も調査を行っており、金融庁は行政処分を行った。また、「プラチナコース」と呼ばれる投資金額が1億5000万円以上の個人投資家が多数存在することが判明し、被害は甚大だ。

元利保証で年6%~


MRIの事務所が入るビルの前に集まった報道陣
 MRIインターナショナルの預かり資産約1300億円が消滅との報道が26日の朝刊各紙で出たことから、早朝から東京・永田町の同社事務所には、数十人の顧客が集まった。しかし、オフィスの扉には「本日の営業は終了しました」との張り紙を残したまま、誰もいなくなっていた。電話もすでに前日からつながらなかったという。

 なぜ1億円以上もつぎ込む投資家が数多く存在していたかというと、日本の金融商品にはない高い利回りだ。「MARS(マース)」投資という名の商品で、150万円の少額から投資が可能で年利は6%以上。さらには、長期で回せば9%前後の時もあるという信じられないような利回りだ。これが10年以上継続しており、しかも、これが元利確保を謳うのだから、8000人以上が投資しているように騙される人が出るのも当然か。

 この日、ニュースを知り、オフィスへ慌てて駆けつけたという初老の男性は「去年、自分が満期になった時に、7%以上の配当が出ることになっていました。しかし、会社に電話すると、アメリカの法律が変わったとか何とかで、待ってほしいと、そればかり言われました」と話す。

 まさしく、新たな投資家から募った資金を既存顧客の配当に回す、自転車操業によるタコ足配当が行われていた可能性が疑われる。こうした、投資家からの声に、日本の証券取引等監視委員会も関心を寄せていたようで、今春に会社設立以来初めて立ち入り検査が入った。

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