最近は中国でも、ペットボトル入りのミネラルウォーターの販売が増えてきた。ダノンやエビアン、ネスレなど外資系の飲料水が並ぶ中、中国のブランドとして比較的品質が“良い”とされる有名な水に「農夫山泉」がある。中国在住の日本人でも使っている人が多いとか。だが最近、この「農夫山泉」の品質基準が水道水よりも低かったと報道され、問題になっている。
中国新浪ネットが伝えたところによると、今年3月初め、「農夫山泉」のボドル内に不純物が浮いているのが見つかった。同じ箱につめられていた24本全てに同様の不純物がみられたという。これに対し、メーカー側は、第三者機関による厳密な検査をしており、国の安全基準をクリアしていると発表。不純物はミネラル分が析出したもので、飲んでも問題はないと強調した。
ところが3月末に、水源の湖北省丹江口市にある貯水池付近は、実はゴミ処分場になっているなど、驚くべき情報が伝えられ、ネット上で話題になった。メーカー側は、ゴミ処分場と取水口は1.4キロ離れているため、水質に影響はないと声明を出したものの、さらに追い打ちをかけるように品質基準が水道水よりも低かった!などとも報道され、「農夫山泉」への疑いはさらに深刻なものになった。
ところが、こうした数々の報道にも負けず、「農夫山泉」は水道水の8500倍の値段、550CCあたり1.5元で店頭に並べられているという。他のブランドが1元(16円)前後だから、価格は依然として高級路線だ。
報道か、メーカー側の主張かどちらが正しいのか。あるサイトでは、「粉ミルクだけでな
く、水まで輸入しなければならないのか!」と嘆いている。中国の食に対する問題は根が深い。この半月で、同ブランドの売上げは20%前後下がったということだ。