ロシアの大富豪スレイマン・ケリモフ氏が、自身のビジネスで得た資産を、スイスの慈善活動基金に譲渡していたことが6日わかった。4月末に役人や国会議員の海外口座保有や、海外有価証券保有を禁じる新しい法案が成立しており、駆け込みとなった。
現地メディアのリア・ノボスチ通信によると、スレイマン氏はロシアの国会議員で、金額は明らかにされていないものの、ビジネスによる自身の資産をスイスに置く自身の慈善団体に移したという。
ロシアでは、役人、国会議員の腐敗防止のため、海外口座保有や、海外有価証券保有を禁じる法案が、4月末に、上院、下院を通過。抜け道は他にもあるものの、それを見越した資産の移転だと見られる。
ケリモフ氏は、ローマン・アブラモヴィッチ氏らと近く、プーチン氏らとは遠い関係にあるため、国会議員となったのも不逮捕特権を得るためだともいわれてきた。
ケリモフ氏の資産総額はフォーブスによる試算では、70億ドル以上で、ロシアでトップ20に入る大富豪。サッカーのアンジ・マハチカラのオーナーでもあり、移籍金2700万ユーロ、世界最高年棒の2000万ユーロでサミュエル・エトー選手を獲得したり、ロベルト・カルロス選手には、誕生日にブガッティ・ヴェイロンをプレゼントするなど大盤振る舞いをしていることでも知られる。
スレイマン・ケリモフ氏