東京電力の福島第一原発事故でメルトダウンした燃料棒の行方について、8日の参院予算委員会で、田中俊一・原子力規制委員会委員長は「メルトダウンした燃料棒については、建物の中にとどまっていることは確かだと思う」と述べた。川上義博委員(民主党)の質問に答えた。
福島第一原発の1~3号機は原子炉内にあった燃料棒が事故によるメルトダウンで、現状では位置が確認しきれていない。まだ、作業段階として冷温停止を行っているところだ。
田中委員長は「メルトダウンした燃料は、どこでどういう風な状況にあるかは、正確に把握できておりません」とした上で「建物の中にとどまっていることは確かだと思う」と答弁した。
その理由については、「外に出ているということなら、放射能が外に大量に出てくる。幸いなことに建物の中にとどまっていると判断している」と説明した。
当初の東電の作業工程の予定では、今年中に燃料棒の取り出しに着手することになっている。
福島第一原発2号機建屋(東電撮影)