兄譲りのハッタリが今を作った
泰蔵氏は東京大学在学中に、就職活動が目の前に迫っていたが、何もできずに手をこまねいているばかりで、内定はゼロだったという。ニートの危機を迎えていたといってもいいだろう。
だが、一つだけ胸に秘めていたものがあった。米ヤフーの創業者ジェリー・ヤン氏に憧れており、会いたいと考えていた。その頃、ヤン氏はヤフージャパンの立ち上げを計画していたのだった。
普通に考えれば兄に頼めば会わせてくれるだろうが、正義氏はそんな性格ではないため、頼んでも予想通り、断られたそうだ。
しかし、このときのことを、起業家向けサイト「ベンチャー・ナウ」のインタビューで語っており、「100人連れてくる」とハッタリをかまして、ヤフージャパンの設立を手伝わせてもらうことになったそうだ。
自身のブログには「まず1回成功することが大事」としており、そのためには打席に多く立ち、何回三振してもよいので、バットを思い切り振ることが大切だということを述べている。ハッタリでもいいからやり切ることで道が開けた。
そのガンホーだが、ソフトバンクが公開買い付けを行い、実質的な議決権ベースの保有割合は52.1%となる。この公開買い付けは、ようやく兄に認められたという証なのかもしれない。