手にする利益は136億円以上プラス?
それは、まず、証券優遇税制の期限が今年で切れるという点。現在は、売却益は10%となっているが、来年からは20%に戻されることになる。これだけ、大量の株数だけに、10%の違いは金額に大きく跳ね返ってくる。
「えてして証券会社などの金融機関が、そうした機を見て営業をかけるもの」(関係者)という声もあるが、タイミングとしてはベストではないだろうか。
また、昨年末から始まったアベノミクスによる、株価上昇というタイミングも2つ目の理由となろう。2月末時点の株価は1株あたり800円前後。現在は1220円(5月9日終値)で、5割も上昇している。
PER(株価収益率)はすでに90倍近く、かなりの割高感が出るほどの上昇となっている。
株価が1株=800円だとすれば、売却すると売却総額288億円。1220円ならば、同439億円となる。仮に売値を1220円とすれば、その差は155億円となる。このタイミングを選んだからこそ出た、追加の利益となる。
三木谷氏は、政府の産業競争力会議の委員として民間から選出されている。アベノミクスを推進する立場上、問題視する声もないわけでもないだろうが、売却のタイミングは今年を置いて他にないと思われる。