特に2006年にライブドアの本社に東京地検特捜部の強制捜査が入って、同社はじめ新興銘柄が総じて暴落した「ライブドアショック」
は悲惨なものだったという。
川合氏はテレビ番組の収録中に、その話が気になって携帯電話で株価を見ている時に、ちょうど悲しい話題を振られて、悲しい表情でコメントを返したのだという。
今は数千万円儲かった。しかし、計算上のトータルでは、通算、数億円の損失を出していることになる。
投資人生において大切なことは、最終的にいくら買っているかだ。
数億円も損してもビクともしない財力と、日の丸を背負って戦った精神的タフさを武器に、自分でガンガン相場を張る人間もいれば、一方で、自分自身で相場を張らず、プロに任せようという会社員も多い。
リーマンショックでも損をしなかった某一流ファンドに毎月5万円つづ積立して 将来の1億円を目指すサービス「いつかはゆかし」が 30、40代のビジネスマンの間で流行し、同サービスを提供しているアブラハム・プライベートバンク社の投資助言契約額は累計686億円に達している。
また、相場そのものを避ける人もいる。ソニー銀行では30代・40代の積立が流行っており、こちらは月3万円からインデックスに投資する人が多い。基本的に相場がよければ儲かるが悪ければ損するだけの「受け身」(パッシブ)の投資だが、それが気楽だという。
自分のセンスで相場を張る川合氏のような「博徒スタイル」。世界一流のファンドマネージャーに託す「いつかはゆかしスタイル」。相場の流れに身を任す「草食投資スタイル」。投資のスタイルは、人の数ほどあるが、この大相場で得た利益をいかに守りつつ、そして、さらに増やしていくことができるのか。自分自身を見つめ直す、良い機会であることを、川合氏のエピソードは教えてくれる。