社長が出席するかどうかが関心事に
「前日には、社長が本決算を説明しないことが社内に広がっていて、50代社員を中心に、社長に対する批判する姿が見られた」
また、50代の部品関係事業の社員はこう話す。
「決算の内容が以前に説明した通りだとしても、節目節目に出て、自らの言葉で話すのがトップの責任」
マスメディアに威圧的で“ブラックK”との異名をもつ広報担当役員がもっとも慌てたと言われ、「Kさんは社長に翻意をうながし、『決算発表に出てください』とかけあったようですがかなわず、『(社長の決断は)いかがなものか』とため息をついていた」(関係者)と伝えられている。
津賀社長の判断が“過去にとらわれない英断だった”といえるかどうかは、2014年3月期の業績にかかっている。2014年3月期の予測は、売上高が7兆2000億円(前期比1.4%減)と3期連続しての減収ながら、営業利益は2500億円(同55%増)と復調、最終利益は500億円の黒字に転じるとした。
津賀社長が公表している中期経営計画を踏襲した内容だったが、株価は翌営業日の13日に大きく上昇し、1年半ぶりに800円台を回復した。
次の中間決算発表に、果たして社長は姿を見せるのだろうか。
「今回の決断にそって考えると、中間決算までに大きな修正がなければ、決算発表に現れて自らの言葉で語るのだろう。大きな修正が必要で、それまでに姿を見せる機会があれば、逆に中間決算には出てこないことになる」(在阪記者)
業績の行方とともに、社長が出る、出ない――が、パナの中間決算の関心事になりそうだ。