米アップル租税逃れの肝、3つの「幽霊会社」の正体

 21日行われた米上院小委員会に、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が招致され、タックスヘイブンを利用した海外の租税回避など納税について審議が行われた。クックCEOは納税義務を果たしていることを一貫して述べたが、同小委員会は、同社が知的財産権を3つの会社を通すことによって、昨年だけで90億ドルの租税回避を行ったとの見解を発表している。

アップル成功の秘訣はiPhoneにあらず


議会で証言するティム・クックCEO
 この公聴会は、小委員会がこれまでの長期間にわたって、アップルをはじめ、S&P500の企業を中心に海外であげている利益をいかに節税してきたかを調査してきた。

 納税は企業が社会へ果たす義務の最大のもののひとつである点を踏まえて、クックCEOは「アップルは、60億ドル以上の税金を支払っている。また、景気に関わらず、数多くの雇用を創出している」と述べた。

 ただ、カール・レヴィン委員長が提出した報告書によると、その実態が明らかにされた。S&P500の企業では、節税によるキャッシュが10年間で400%増加しているといい、連邦税は9%減少しているという。特に、多国籍企業30社について顕著だという。

 「特にアップルは優れて租税回避スキームを持っている。オフショアに知的財産権を送ることが、そのスキームの中心にある」としている。加えて「(アップルの)成功の秘訣は、アイフォンなどの製品のエレガントなパッケージとともに一緒にもたらされるものではない」とした。

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