ギャンブラーの本領発揮か
藤澤氏は「趣味がなくて、仕事のことをずっと考えています。夜中に突然起きて、仕事を思いついて、夜中の3時に社員にオールでメールしたり、社員からはかなり評判が悪いです」と語る。
東大医学部を卒業後、アルバイトをしていた延長でアミューズメント業界へ就職。金融業界よりも同業界の方が好きだともいうほどだ。その後は不動産担保融資会社ヴィンテージの社長となり、旧ライブドアに株式を売却。事件後には、グループから離れて大阪のローン会社イッコーに。イッコーは経営難となったところを、TOBによって自身で株式を取得し社長におさまり、その後も経営破たんした
商工ローン最大手ロプロなどを自身の傘下に収めていき、現在のJトラストを築いた。武富士など金融14社を含めて計19社を持ち、現在は連結総資産2187億円となっている。現在では、大証2部では時価総額トップでもある。
「引き受けてくれそうな証券会社がいたら、普通に公募増資するだろうけど、もし、受ける証券会社がいたとしても、Jトラストはライツイシューをやっていただろうな」(大手証券マン)。
前例も少なく誰もやったことのない規模の資本政策を打ち出すあたりは、「ギャンブラー」「錬金術師」とも言われる所以か。
「高校、大学とあまり学校にもいかなかった」という藤澤氏。読書もしないというから、まさに既存の価値観で生きてはいない。
久しぶりに現れた山っ気たっぷりの経営者。この大バクチは成功するのかどうか。