元オリンパスのM・ウッドフォード氏、HOYA取締役に強い関心

医療機器分野での実績も

 英国労働審判所で、オリンパスがウッドフォード氏に対して、当時約12億円を支払うことで両者は和解している。一連のオリンパス騒動からはすでに距離を置いたウッドフォード氏は現在は、家族のいる故郷の英国で過ごしている。

 オリンパスの社長在職時に、いくつかの取引が奇異に映っていた。まずその一つが英医療機器メーカーのジャイラス。当時2150億円で買収したが、フィナンシャルアドバイザーを務めた代理人に対して、破格とも言える約700億円もの報酬を支払っている。

 また、シイタケの粉末を製造するメーカーの「ヒューマラボ」や、電子レンジの調理機器を販売する「NEWS CHEF」、医療機器廃棄の「アルティス」などを合わせて合計約730億円で買収した。しかし、すぐに減損処理を行うなど、不可解な会計処理を行っていた。

 会計事務所プライスウォーターハウスクーパースに調査を依頼し、レポートを菊川剛会長に突き付け辞任を迫ったが、逆に自身が解任されることになった。オリンパスという優良企業で起きた会計スキャンダルに、日本企業にある種の会計不信を起こすなど、大きな問題提起を行ったという意味での功績は大きい。

 ウッドフォード氏は、英医療機器メーカーのキーメッドで営業マンとして働き、後にオリンパスの子会社となってからも、順調に昇進。91年からは同社の社長を務めていたように、欧州での医療機器での販売には大きな実績を残している。こうした点にも同適正化委員会が適任だと判断した理由がある。

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