ソニーはアクティビストの試金石に?

 「ソニーの力を信じています」。

 日本の家電メーカー、ソニーに対して、そう、もっともらしく手紙にしたためたのは、米著名ヘッジファンド運用会社サード・ポイント・キャピタルの代表者ダニエル・ローブ氏だ。

 ヤフーのとのプロキシーファイトで注目を集め、スコットCEOの学歴詐称を暴いて退任に追い込む。さらに、ギリシャ国債を購入し400億円を稼いだとされ、金をショートし、日本のアベノミクスに便乗した投資でも利益を上げ、「日本にフォーカスする」と宣言した矢先に、ソニーへの書簡が発表されたのだった。

 運用資産規模は約1兆2000億円規模で、超一流どころが日本への投資に目をつけるという、これまでにはあまりない展開が起きているのだ。すでにソニー株約6400万株を保有している、としており、日本でも動いていることが伝わっている。


 ソニーの平井一夫社長兼CEOには、東京ですでに面会し、すでにエンターテインメント部門の一部をIPOするとの要望をぶつけていることも書簡の中で明かしている。さらに、それだけにとどまらず、菅官房長官ら閣僚とも懇談した、との報道も出たほどだ(長官は、個々の投資家についてのコメントは差し控えている)。

 迅速で幅広い行動力を見せており、取締役陣の切り崩しなども行っているに違いない。こうしたアクティビストたちの活動は、これまで日本ではうまくいかなかったが、成功するかどうか、注目が集まっている。20日の定時株主総会では、どのような意思表明をするのか、多くの機関投資家、個人投資家が注目している。

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