ソニーはアクティビストの試金石に?

日本は本当はアクティビストにはおいしい市場

 「米国には当たり前にアクティビストがたくさんいて、突っ込みどころのある企業が日本に比べて少ないのです。言っては失礼ですが、以前に日本でも活動したスティールパートナーズは三流ですが、サードポイントは一流ですね。ただ、こういう一流どころのアクティビストに日本で好きなように活動されてしまっては、上場理由が判然としない企業も多いですから、都合が悪いということになるでしょうね」と、大手証券マン。

 日本国内では古くは米投資家T・ブーン・ピケンズ氏が1989年、小糸製作所に買収を仕掛けてきたことがあった。また、2000年代に入ってから、スティールパートナーズが、サッポロホールディングスなどに敵対的買収を仕掛けても、国内の機関投資家や個人投資家らは賛同しなかった。

 明らかに、日本はアクティビストの墓場だった。最初からけんか腰にも聞こえる言動は、態度をかたくなにさせる。現在、米サーベラスと西武HDとの戦いも、両者の間に感情面での対立があることも間違いない。

 ただ、サードポイントはソニーに対して書簡で「日本のイノベーションの象徴でもある」と絶賛。その上で「もっと事業をフォーカスさせなければならない」と指摘した。つまり、テレビをはじめとするエレクトロニクス部門の体たらくを、どうにかしろ、ということだ。とりあえず、まだ攻勢は始まったばかりだが、20日の総会での平井社長の発言には注目が集まる。

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