ソニーは80年代後半から、ソフトとハードとの事業の相乗効果を求めて、米映画大手コロンビア・ピクチャーズ、MGMをそれぞれ買収した。
映画部門は昨年、「アメイジング・スパイダーマン」が世界中で興行収入約700億円に達し、また、「007スカイウォール」も同1000億円を突破するなどヒットに恵まれた。
ただし、FOXグループ、ウォルトディズニーグループなどが10%以上の利益率を出しているものの、これらに現状のソニーは及ばない。また、平井氏の出身母体であるソニーミュージックも国内首位を守っているが洋楽頼みは否めず、過去には大ブレイク前のAKB48との契約を更新しなかったことなど、今となっては、そうした致命的な失点も悔やまれるところだ。
はっきり意見を表明しない平井氏の姿勢に、株主の苛立ちが目立った総会となった。また、テレビ、携帯電話などエレクトロニクス部門の不振脱却についても、観念論的な発言に終始するばかりだったことも、苛立ちを増幅させたようだ。
女性株主から「(平井氏は)イケメン社長でうれしい」との発言が出たときだけ、会場からは大声の笑いも起きて和やかな雰囲気となった。
サード・ポイントは現段階では、ソニー株を7買い増して保有は7000万株で約7%になった。
当分、駆け引きが続きそうだ。