栄光Vs.進学会、今年は一転して態度軟化か?

 塾業界で最大の内紛が続いている栄光ホールディングスで、6月27日の定時株主総会を前にして、大株主の進学会が昨年に続き、株主提案を出してきた。監査役1人を送り込むだけの穏やかなもので、取締役2人の選任という前年の提案と比較すれば軽いものに。態度軟化で、一度は閉じられた業務提携の門を再開するのが目的か。

創業家追い出しから続く戦争


栄光ホールディングスHPより
 進学会グループ約30%、増進会出版で約28%と、栄光の経営陣の3者の力関係が拮抗する状態にある。単独では、進学会が強いものの、増進会と栄光の近藤好紀社長とが手を組んでおり、進学会は資本関係はあるが業務提携を解消されるなど蚊帳の外に置かれたままだ。昨年は筆頭株主の進学会グループが、取締役2人の選任などを求めたが否決。経営陣が増進会から2人の取締役を受け入れることになり、勝敗は決した。

 そもそもの発端は、立志伝中の人である創業者・北山雅史氏を栄光から追い出すところから。2008年に社長に就任するにあたって近藤氏が、創業者、および創業家の追い出しを図る。創業家は対抗手段として、「佐鳴予備校」を展開する「さなる」に株式を譲渡。しかし、その対抗策として栄光・近藤氏は、増進会に株を譲渡した。

 さらに、近藤氏は札幌を地盤にする大手・進学会に、さなるが保有する栄光株の取得を求めた。それが、東日本大震災が発生した2011年の3月このとだった。進学会は要請を受けて株を約40億円(1株=650円)で買い取ることになり、現在にいたっている。

 だが、近藤氏とホワイトナイト進学会の関係はいきなり悪化する。

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