経営再建中のシャープ(本社・大阪市阿倍野区)の定時株主総会が25日、大阪市北区の大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)で開かれた。恒例の手土産がなくなったせいか、注目企業のわりに出席者数は前年比4割も減少。取締役18人に計約3億円の報酬が支払われたことに対し、「大失態をした役員がこんなにもらっていいのか」など厳しく問いただす声も出たが、終わってみれば開催時間は2時間23分と、前年並み。総会でモノを言ったところで株価は上がらない、という株主のあきらめなのか。
招集通知に赤字で「手土産なし」の通知
平日に開かれる総会に来るのは、多くがリタイヤ世代。議事よりも、手土産目当ての人も多い。シャープの総会では昨年まで、有名洋菓子店の1000円程度の洋菓子の詰め合わせが手土産だった。
しかし、今年は事前に送られてきた招集通知に赤字で「手土産のご用意はございません。何卒ご理解くださいますよう」とくっきり書かれていた。そのせいなのか、当日出席者は1021人で、前年の1787人から半分近くも減少した。役員刷新や台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との資本提携迷走など、話題には事欠かない企業なのに、会場の入り具合は6割程度だった。
新味が少なく、人もまばらな新製品コーナー
総会の冒頭、奥田隆司社長は「(2013年3月期の)最終損益は5453億円の赤字という厳しい業績となり、誠に申し訳ない」と陳謝。役員一同壇上で起立して頭を下げた。しかし、これで株主の怒りがおさまるはずもなく、会場からは厳しい質問が相次いだ。