昨年末、中国広西省出身の2人の男性が、南京市で純金ネックレス2本を窃盗したとして逮捕された。被害総額は4万3000元(約68万円)。今年春、裁判所は二人にそれぞれ、懲役8年7月と6年の実刑判決を言い渡した。
2人の男は、昨年末、広西省から南京にやってきたが、お金を使い果たしてしまったため、盗みをしようと相談した。まず手始めに逃走用のバイクを盗むと間もなく、犯行に及んだ。一人が女性の首から金のネックレスと引ったくり、もう一人が運転するバイクで逃走するという方法だ。男はさらに別の場所でも同じ手口で金のネックレスを引ったくり、広西省に戻ると3万元でそれらのネックレスを売り、お互いに現金を分け合った。
ほどなく、通報を受けた警察によって二人は御用となり、盗まれた品物も回収された。
純金のネックレス2本、合計100グラムは、事件が起きたときの金相場と照らし合わされて、4万3000元とされ、被害総額は比較的大きなものとなった。
ところが、2人のうち1人が判決を不服として再審を求めているという。男は監房で読んだ新聞で、金の価格が半年で大幅に下がっている事を知ったのだ。
事件があった昨年10月から12月の金価格は1グラムあたり430元前後(約6800円)。ところが最近は280元前後(約4500円)と大幅に下落。さらに、被害者がネックレスを購入したという5年前の相場は200元前後(約3200円)というから、被害総額は半分以上になってしまう計算だ。
経済観念のある? 泥棒の話が報道されると、話題は瞬く間にネット上に広がった。ネットユーザーからは「それならなんで金の相場が低いときにしなかった? でも、もし金の値段があがったら、罪はもっと重くなるぞ」「盗人の主張なんてありえない」などと批判する声がほとんどだった。
被害総額はあくまで犯行が行われた時点での価格で算出するもので、男の不服申し立ては成立しないということだ。さらにこの2人、実は前科者。やはりしっかりと反省してもらう必要がありそうだ。