2013年3月期の上場企業の役員報酬開示が出そろい、1億円以上の報酬を受けた役員は合計292人で、2012年3月期よりも112人が役員報酬額が増額し、新たに加わったのは80人だったことが、東京商工リサーチの調べでわかった。報酬総額では、日産自動車のカルロス・ゴーン氏が9億8800万円で2年ぶりに1位に返り咲いた。
仏の増税政策がゴーン苦しめる
1 カルロス・ゴーン 9億8800万円 日産自動車
2 デボラ・ダンサイヤ 7億7600万円 武田薬品工業
3 フランク・モリッヒ 7億4500万円 同
4 山田忠孝 7億1200万円 同
5 三津原博 5億9000万円 日本調剤
5 稲葉善治 5億9000万円 ファナック
7 里見治 5億8300万円 セガサミーホールディングス
8 東光博 4億8000万円 フォーカスシステムズ
9 金川千尋 4億6000万円 信越化学工業
10 松浦勝人 4億5100万円 エイベックスグループホールディングス
※敬称略
ゴーン氏だが、昨年とほぼ同額ながら微増の9億8800万円。仏ルノーからは289万ユーロ(約3億7000万円)を受け取っていることを合わせれば、10億円をはるかに超える報酬を得ていることになる。
あらゆる増税策を練る本国フランスは、2014年度から、企業が従業員や役員に対して100万ユーロ以上(約1億2000万円)の給与を支払う場合には、企業に75%の税率を課すという新たなルールも国会で通す方針だ。仏国内での高額報酬の下げ圧力は今後も高まる一方だろう。法律が施行されるならば、さらに世論も敵となるだろう。
日本国内でも高額すぎるとの批判も多く、日本人経営者ではないという点がそれをさらに増幅させているとも言えなくもない。ただ、そんな国民感情を理解してか、前年比100万円増にとどめた。今後も10億円の大台を超えない程度に微増を繰り返すことになるだろうか。仏国内で増額しにくくなった分を、日本にしわ寄せをするということも難しそうで、ゴーン氏の年収はこのあたりで打ち止めになりそうだ。