ロシアの大富豪オレグ・デリパスカ氏(45)が、従業員に合計300万ドルのボーナスを支給することが8日わかった。一見すると景気の良い話のようだが、実際には自らの失地回復のための埋め合わせの要素が強そうだ。
英国営放送BBCによると、デリパスカ氏は、アルミ製造会社ルサールの従業員に対して総額で約300万ドルをボーナスとして支給することを決めたという。
自身はフォーブスによると総資産は推計5億ドル。ただ、2008年のリーマンショック時には経営危機に陥ったことがあった。この年には、傘下の工場では賃金の未払いなどによって、労働争議が繰り返し起こっていたのだった。
さらに悪いことは続く。
ルサールは、本社の登記を租税回避地であるイギリス王室属領ジャージーに置いているからだ。2008年11月に、英国保守党の大物政治家ジョージ・オズボーン氏から、政治献金を持ちかけられたのだという。
ギリシアの洋上のヨットで、献金の話題が出たことが報じられ、政治スキャンダルに発展かとも思われたが、デリパスカ氏自身が献金の事実はなかったことを証言している。