1兆円の遺産相続に決着、最後に愛が勝った大富豪

キャンディ・キャンディ


陳振聡異国(右)とニナ・ワンさん (You Tubeより)
 2010年2月、香港の高等法院(高等裁判所)はチャイナケムを正式な相続人と認めて勝訴とし、風水師・陳振聡氏は敗訴となった。陳被告は上告するつもりだったようだが、その翌日、香港警察に私文書偽装の容疑で拘束となった。

 今月の判決で裁判所は、「病床にあるニナ・ワンさんは、寂しく傷ついた女性だった。陳被告は残忍にもそこにつけ込んで遺書を偽造した。本来ならば慈善活動に使われる遺産を奪おうとした行為は恥知らずで邪悪だ」と非難した。

 死後、その莫大な遺産の駆け引きをめぐり、話題となったニナ・ワンさんだが、実は生前も人々の関心を集め続ける存在だった。アジア一の富豪女性とは一体どんな人物だったのだろうか?

 何よりも、人々の目を引いたのは、彼女のファッションだ。彼女は50歳を過ぎてから日本のアニメ「キャンディ・キャンディ」にハマり、毎日を、キャンディー・キャンディーのコスプレで過ごした。おさげ髪にミニスカートという大富豪の年齢不相応なスタイルは、世間の注目を浴びた事は想像に難くない。

 ニナ・ワンさんは、上海の貧しい家庭に生れ、裕福な男性と周囲の反対を押し切り結婚。その後、2人で香港に移り、香港を世界一豊かな都市にしたい、と不動産業を営み大成功した。

 ところがその後、夫婦の身に災難が襲いかかる。

 身代金目的で誘拐されたのである。結局、約27億5000万円で釈放され解決したが、この事件は大きく報じられ、夫婦は一躍有名人となった。

 だが、その数年後、またしても夫が誘拐され、今度は帰らぬ人となってしまった。

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