ドライブレコーダーのシェア6割のFRC

 「1991年に会社を設立したときは、無線機の卸売りがメーンでした。しかし、現在の取り扱い製品は、デジタルビデオレコーダー、防犯カメラなど多岐に渡り、自社で開発した製品が全体の7割を占めるようになっています。これまでは協力工場に依頼してファブレスの形で、自社で企画・開発した製品の製造を行ってきましたが、近いうちに国内で自社工場を立ち上げる計画です」

無線機で初めての卸売会社

 こう語るのは東京・町田に本社のあるエフ・アール・シーの吉田直貴社長だ。


吉田直貴社長
 同社は2010年から一般車向けのドライブレコーダーの製造販売をスタートさせ、これまで50万台以上の販売実績を持つ。カー用品店、ホームセンターなどのアフターマーケットにおけるドライブレコーダーのシェアは推計で6割に達し、知る人ぞ知るトップメーカーなのだ。

 「若いときから何か自分で商売をしたかった」という吉田社長は、同社を設立する前に勤めていたホームセンターのバイヤーの仕事でもベンチャー精神をフルに発揮していた。

 80年代当時、大手メーカーと個人経営の専門店との直接取引がメーンで、仕切値もあってなきがごとしの状態だった無線機の流通ルートに着目。量販店である自社が扱うことで、新しい市場が構築できると考えた。結果、新規ルートの開拓に1年ほどかかったものの、爆発的なヒットとなる。

 その成功で自信をつけた吉田社長が、念願の独立を果たして創業したのが、卸売会社のエフ・アール・シーだったのである。社名は「First Radio Communication」の略語で、「First」には無線機で初めての卸売会社という意味が込められていた。

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