ドライブレコーダーのシェア6割のFRC

一般向けは全然売れず

 しかし、携帯電話の普及とともに国内の無線機需要は徐々に縮小していき、そこで新たに目をつけたものが、レーダー探知機、車載テレビなどのカー用品分野であった。そのなかで、大手メーカーが5万円以上の価格で業務用に販売していたドライブレコーダーに吉田社長は注目する。

 が、焼津にある精密器具メーカーの協力を得て10年に初めて一般車向けドライブレコーダーをカー用品店へ納入したものの、「当初はまったく売れなかった」と振り返る。一般ドライバーの認知度がまだ低かったのだ。

 ところが、12年4月に京都で起きた自動車の暴走事故で、ドライブレコーダーに残されていた映像が報道されるやいなや状況が一変し、売り上げが急速に伸び始めた。同じ月に発売した「FT-DK ZERO 2」は8000円弱というリーズナブルな実勢価格だったこともあり、半年間で5万台のヒットを飛ばした。
 
 「市場は低価格で高品質なものを求めていて、中国での委託生産にも乗り出しました。当社の技術スタッフが現地に常駐し、生産過程や出荷段階で厳しいチェックを行っています。中国製につきものの『安かろう、悪かろう』というイメージを払拭して、実勢価格5000円弱で投入した機種は初期の受注段階で1万台のロットを確保することができました」

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