CM拒否られたパナソニック、民放のありえない言い訳

 民放各社に拒否されたパナソニックのテレビCM問題。「歴史に残る出来事になる」と予測する声が出ている。パナが春に発売したテレビ「スマートビエラ」のCMで、起動時に放送とネットを同時に表示でき、民放各社は「視聴者が放送番組とネットを混同する」として、“ルール違反”だと拒絶した。そのCMをパナはWEB限定として自社サイトやネットポータルサイトで利用を開始、テレビ広告を見切った。「テレビ放送とテレビ受像機メーカーの蜜月は過去のものになった」(電機メーカー関係者)のかもしれない。

スマートTVを許さない日本?


パナソニック公式サイトより
 巨額の広告費を使うパナのCMを放送業界が拒否することは「驚きの出来事」だと、新聞各社が報じたのは7月上旬。問題になったのは、4月下旬に売り出した「スマートビエラ」シリーズのテレビCM。テレビの起動画面に、放送中の番組だけでなく指定しておいたネットの画面を並べることができる。ネット世代には、「あって当然のテレビ」に見えるが――。

 放送とネットを融合する「スマートテレビ」は世界で広がっている。韓国では当たり前に売られているし、グーグルも虎視眈々とねらっている分野。だが、民放各社は、パナのテレビが放送局と家電メーカーでつくる電波産業会の運用規定に違反しているとした。「テレビ起動時にはテレビ映像を画面全体に映すことが望ましい」とする規定で、視聴者が番組とネットとを混同しないようにするためだという。

 放送は公共の限られた電波を使用するので、放送局は国の認可が必要であり、番組内容は「放送倫理検証委員会」によってチェックされている。「ネットの世界はいい加減なものも多く、テレビ放送と同じ画面に混在することは危うい」とあるテレビ業界関係者はいう。

 一理あるが、今回の一件で放送各社は大口広告を自ら締め出し、広告費をWEBに取られてしまった。かつて、テレビ放送の合間にテレビ受像機のCMを流すという放送とメーカーとの共存関係が崩壊したことを印象付けた。

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