日本人「タックスヘイブンリスト」、実は大したことない?

 租税回避地(タックスヘイブン)を使用した個人や企業のリストが、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)によって先日公表された。日本人についても数百件が公開され、掲載された人は戦々恐々かと思いきや、事情通は「シンガポールのPBから漏洩した可能性が高い」とした上で、「この(日本人の)リストのレベルは、当局もそれほど躍起になって動くほどではないだろう」としている。ゆかしメディアは内容を精査し、また、延べ数十件の公開された住所に直当たりするなどの調査を行った。

フォーブス長者番付常連らも登場

 ICIJと提携関係にある報道各社がすでに、その存在を伝えているが、その報道によると、このリストはタックスヘイブンの会社設立などを代行する専門業者の内部文書だという。ファイルの件数にして250万件、中にはフィリピンの故マルコス大統領の愛娘らの名前が出てくる。そして、気になる日本関連については、のべ450件以上の住所、40以上の法人が公開されている。

 その名前は、総合商社、著名アパレルなどの大企業や上場企業も登場するが、これらは取引慣例などで使っている可能性がひじょうに高く、資産隠しをしているわけではなく、当局への申告もきちんと行っていると見られる。

 また、フォーブスの長者番付で常に日本の上位20傑に入る大富豪や、すでに亡くなったが著名な投資家、有名健康食品会社創業家、バブル期に1兆円帝国を築き上げた闇紳士をはじめとした名前が出てくる。中には地方銀行の支店が住所になっているものもあったり、不可解なリストも存在し、興味深い名前もそれなりには出てくる。

 これだけの大量のリストが漏洩することは前代未聞だが、どこから漏洩したのか? 事情通は次のように話す。

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