日本人「タックスヘイブンリスト」、実は大したことない?

登録先の住所がない?

◆登録者本人と思われる人物のケース 
 まず港区内の高級住宅街にあるデザイン住宅をたずねた。インターホン越しに
趣旨を説明した上で、いくつかそのまま質問をぶつけてみた。

 ―ICIJのサイトにこちらの住所と名前が載っているが
 「聞いたことがないし、サイト(の存在)も知らない」

 ―オフショアに口座を開設したり取引をしたりしたのか
 「話が見えてこないので、よくわからない」

 ―国税庁など当局からのこの件でのアプローチはあったか
 「ない」

 主なやりとりは上記のとおりだが、サイトに掲載された名前の本人であることは認めた。しかし、それ以外のことについては「わからない」という答えばかりで、まったくラチがあかなかった。本当に知らないのかどうかは、こちらでは何とも言いにくい。

◆登録者本人と居住者が違うケース
 まさかの登録者と居住者が違うということに気が付き、取材する側もされる側も驚いたケース。趣旨を説明し何とか質問をぶつけた。

 ―○○さんという人はいるか
 「そういう人はいない」

 ―○○さんは、こちらに関係のある人か
 「そんな名前は聞いたことがないし、いない」

 ―関係のある郵便物などが届いたことがあるか、また○○さんから連絡はあったか
 「ないし、さっぱりわからない」

 一つ考えられる可能性としては、以前に住んでいた人ではないかということ。もうひとつは、偽りの住所を登録しているということ。単純にその2つが考えられる。前者の可能性の方が高そうにも見える。

◆中国人と思われる名義のケース
 中国人かと思われる名義の東京都内にある住所に向かう。番地は正しい模様で、登録するアパートの3階へ行くが、実際にはこの建物は2階までしかない。

 2階の空き部屋はないようで、近隣の住民にも話を聞くが、それらしき外国人の姿は見たこともないそうだ。また、郵便受け(鍵なし)にもその名義のものはない。

 また、他にも外国人名義で、文化住宅や、空家か人が住んでいるのかどうかわからないような所などもあった。ただ、それらも本人という人物には当たることはできなかった。

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