日本人「タックスヘイブンリスト」、実は大したことない?

登録住所はいい加減でも良い?

 一定の割合で、現在ではまったく意味のない住所登録もあることは事実であるが、なぜこういうことが起きるのか。前出の事情通は次のように話す。

 「タックスヘイブンからの連絡は、エージェントを通すことが多いために、(登録者との)直接のやりとりはありません。住所はおそらく登録しただけでしょう。極端な話、住所が違うことはありえます」。

 日本の賃貸物件は比較的、外国人の登録にも甘いという点をついている可能性が考えられる。住所を登録するためだけに利用した可能性は高そうだ。つまり、リストがすべて正しいわけではなく有益性という点では完璧ではない。国税庁からしても、直ちにすべてが重要なもの、ということではないだろう。

 ただ、当局にとってはこれだけ多くのリストが公開されたとあれば、目を光らせることは間違いなく、今後の調査に何らかの参考にはすることは間違いない。また、税理士法人がリストに登録されているケースもあり、興味深い名前もあることは事実で、一般公開されてはいるものの、貴重な資料となるだろう。

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