相続資産平均4743万円、でも受け取りも60歳代

 一般社団法人「日本信託協会」が昨年行った「相続に関する意識調査」では、50歳以上の既婚者を対象に行われたものだが、相続財産の受け取り経験者の割合はグっと高まる。もちろん、両方の調査の関連性はなく被験者も違うと断った上での結果だが。

◆相続を受けた経験の割合
男性50代 37.4%
男性60代 50.5%
男性70代 50.0%

女性50代 26.9%
女性60代 48.4%
女性70代 46.9%

相続は60代で受ける割合が他の年代よりも高目となる。
また、相続税の支払いを体験した割合は26.4%だった。

◆財産を残す立場で対策をしている割合
男性50代 23.8%
男性60代 27.8%
男性70代 22.6%

女性50代 14.7%
女性60代 26.2%
女性70代 46.2%

男性が年代で見てもほとんど変化がないことが判る。ただ、女性は年齢とともに意識が高くなる傾向にあり、男女間での大きな差が見られる。また、具体的な対策としては「生前贈与」6割、「遺言書作成」などが3割だった。

 こうした実態では活力が失われることもあり、かつて日本維新の会も「相続税100%」を政策案として検討したこともあったが、与党は、生前贈与や、孫への教育資金として1500万円を非課税にする制度などを今年度から始めたが、効果はどうなるか。

 老人になってから、資産を次の世代へ受け渡しということを、何世代も続けていくという構図が見えてくる。いずれにせよ、30、40歳代の現役世代が相続を受けたとしても50、60歳代になってからということだ。 

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