半沢直樹が大ヒットも残念すぎるTBS

 TBS系連続ドラマ「半沢直樹」(日曜、後9時)の平均視聴率が毎回20%を超える高レーティングで、近年にないほどの盛り上がりを見せている。しかし、放送が10回で他局からは「10回しかできないのはもったいなさすぎですね」との嘲笑が飛ぶ。近年、テレビ東京の足音が聞こえると言われていたTBSに不運が襲う。

 まず、各回の平均視聴率をおさらいしておこう。

1回目(7月7日) 19.4%
2回目(7月14日) 21.8%
3回目(7月28日) 22.9%
4回目(8月4日)  27.6%
5回目(8月11日) 29.0%
6回目(8月25日) 29.0%
 ※数字はビデオリサーチ調べ、関東地区平均


TBS番組サイトより
 最近のヒットドラマと言えば、2011年日本テレビ系の「家政婦のミタ」までさかのぼる。途中から20%を超え、最終回は40.0%という異常な盛り上がりを見せた。ただ、これは例外的な存在で、今や1ケタの視聴率も珍しくないほどだ。

 ドラマをまったく見たことがない人でも、「半沢―」の数字が、その凄さを物語っていることはわかるだろう。

 星の巡り合わせが悪いこともあるが、7月21日が参院選挙の特番のため、8月18日は世界陸上最終日のためそれぞれ休止となっている。思えばこれがもったいなかった。編成も悔やんでも悔やみきれないことだろう。こうしたことが、全日の視聴率にも大きく響いてきて、年末に焦るのだ。

 キー局制作関係者は「よくあるんですが、当たり慣れていない環境にあると、当たるか外れるかも読みにくくなってくるんですよ。いまどき大ヒットドラマが10回で終わりとはもったいなさすぎますね。それでも、第2弾、3弾、あとは映画化。再放送とアチコチで使い回しは可能ですけどね」という。

 連ドラは成績を見ながら、回数を短くしたり、増やしたり調節できるようになっており、脚本も最後まで書きあげているということはない。半沢のケースならば、長くするのは当然だろう。だが、それもない。

 前出の関係者は「一部報道では、主要キャストの収録スケジュールを確保できなかったとされているが、それは本当のようです。実力派が揃っていますから、みなさん多忙でしょうから。それも、うれしい誤算と言えばそれまでなんでしょうけど」

 また、番宣でもそれが十分だったかどうか? 前出関係者は「番宣も同じで、各番組に均一に潤沢な予算は回ってきません。『スポーツ紙に載せてもらえるネタないか』などとお達しが来たりします」とも話す。

 実際に半沢にどのくらいの予算配分が回されていたかはわからないものの、果たしてそれも十分だったのだろうか。

 東洋経済オンラインでも、総合演出の福澤克雄さんがインタビューで、平均15%が目標で最終回で20%いけばいい、という考えだったことを明らかにしている。しかも、銀行ドラマだが、女性層が見ているという。それくらい、事前予想は難しいのだ。

 今後も最終回まで時間拡大などの対策を取るなどして、つないでいくことになりそう。原作では第3弾もあることから、その後は第2弾、再放送、映画化とおいしい使い回しサイクルに入ることは間違いなさそうだ。

 ちなみに、この枠は10月から、木村拓哉さん、柴咲コウさんの鉄板コンビで注目の「安藤ロイド」が始まる。こちらは「当たる」というより「当てて当然」という逆に強いプラッシャーがかかりそうだ。

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