「団塊世代はうちのお客様にならないで」(いすみ鉄道)

実は団塊ジュニアに楽しんでほしい
 まずお金と時間に余裕のある団塊の世代は、現代のレジャー産業では影響力を持っている。博報堂が一昨年発表したレポート「新大人研レポートⅤ『“新しい大人世代”のお金に関する意識』」では、団塊世代の退職金の使い道でトップは国内旅行で53.3%、次いで海外旅行37.7%となり、旅行がワンツーを占めたほどだ。

 だが、鳥塚社長は、団塊世代を嫌いではないことを前置きした上で、「おそらく彼らを満足させることができないだろうから、簡単に言えば、『うちのお客様にはならない方が良いですよ。』という私のメッセージなわけです」と続ける。

 しかも、実際の狙いとしては、40代以下の世代、つまり団塊ジュニアだということも明らかにしているのだ。

 「変なうんちくを垂れることもなく、ローカル線の楽しみ方を自分なりに見つけることができる人たちだからです」としている。

 ちなみに同プランの申し込みはすべてインターネット。しかも、10組しか募集しておらず、募集開始とともに、あっという間に売り切れてしまうほどの人気なのだという。文句を電話で言う団塊世代、イチイチ相手にしていられないのは当然だ。

 鳥塚社長は社長就任後は、700万円自己負担運転士養成や、ムーミン列車運行、グッズの店舗販売などで収益を拡大させ、存続させるにいたった。経営者にもこれくらいの思い切りが必要だ。 

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