5億円トレーダーから懲役4年の転落人生(石田高聖被告)

5億円から一文無しに?

 九州で自動車整備工場を営む父親に育てられた石田被告。高校を卒業にあたって家業を継ぐよう言われたが、東京への大学に進学希望を告げる。早稲田大学に入学すると、株のデイトレードに打ち込む。

 結果的にこれが大成功したことで、逆に人生の歯車が狂ったのか。

 一連の事件では、妹の勤務先も知られるようになり、「妹が首になりそうになって、胸が張り裂けそうでした」と涙声に詰まった。

 そして「被害者にはもちろん申し訳ないと思っていますし、こんなバカ息子のために母親も来てくれました。もう以前のようなハデな生活はしませんし、出所した後は、父が許してくれるなら郷里に帰って後を継いで、二度と犯罪はしないと誓い、親孝行するつもりです」と誓った。

 だが、東京高裁は「主張に理由はない」と棄却した。

 最後に、石田被告が被害者(受け取りを拒否)への弁済金として用意した400万円だが、自身のお金ではないようで「いろいろと金策してどうにか集めた」と母親が証言した。

 ピーク時で5億円とマネー誌で語った資金はいったいどこに行ったのだろうか。タイ移住にあたっては、同地にコンドミニアムを購入したり、シンガポールのプライベートバンクに資産を入れたとされている。

 本当に一文無しになってしまったのだろうか。だとすれば、元々5億円というお金を持たせるに足らない器だったということか。今後二度と、トレーダーとして、メディアに登場することはおそらくないだろう。これが、「トレーダー石田高聖」の見おさめとなるだろう。

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