「大金あれど味は判らず」ワイン輸入大国の中国

 高級ワインを優雅に楽しむ様子は、中国富豪の豪華な暮らしをもっとも象徴する場面のようだ。ここ数年で、中国でのワインの消費は飛躍的に伸びている。ところが、実際のところ、本当の意味でワインを理解しているセレブは、ほんの少数。ほとんどの人たちは、ビジネスでの贈り物や、投資目的でワインを購入しているという。

 このたび発表された「2013中国ワイン報告」によると、中国富豪のワインに対する知識は未熟なものだと分かった。半分以上の人たちが、「自分のワインの知識はごく一般的なものだ」と答え、27%の人たちが、「全く理解していない」とした。たった9%が「自分は熟知していて、十分にワインを楽しんでいる」と回答していた。

 ここ数年、中国のワイン市場は熱気を帯びているが、不安定な気配も充満している。その大きな要因は、消費者が真にワインを理解していないというところにもあるようだ。

 中国富豪はワインを選ぶ際、28%の人がフランスの5大シャトーといった、ブランド名を一番に考慮していた。また24%が、年代を気にして購入していた。

 彼らは、1982年のラフィットがより優れているといったことは知っているのだ。また、17%の人が、ワインについては良く知らないが友人の進めるものを信じて購入していた。

 また、ワインを購入する目的は43%が自分で楽しむためで、この割合は2012年に比べて高くなっていた。だが、27%はビジネスでの贈り物としてで、17%はただ単に流行だしているからとワインを購入。こうした人たちにとってワインは、家の中の置物と化しているようだ。

 中国富豪にとって、ワインに関して一番興味のあることは、やはりシャトーなどへの投資だろう。ワイン投資に関心のある人のうち、実に52%の人が300万元(5000万円)から1500万元(約2億4000万円)の投資をおこないたいと答えていた。

 ただ、シャトーへの投資も容易ではない。61%の人が最大の壁は専門家などの人材が不足していることと答えた。さらに33%が投資に関する情報が少ないと感じていた。

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