東京五輪はアトランタの再来かリオの二の舞か、株価上昇の鍵


決定を引き寄せたプレゼンを行った佐藤真海さん
 一方で、2016年のリオは大苦戦となっている。開催は株式市場は織り込んでいなかったために上昇が期待されていた。しかし、海外投資家が債券など固定金利資産に投資する際に課している金融取引税(IOF)が設けられるなど、規制強化を嫌って株式市場は低迷を続けている。2014年サッカーW杯、16年五輪がまるでウソのようでもある。

 このほどようやく、マンテガ財務相がIOFの撤廃を表明するなど、政策の誤りを認めた。

 五輪の経済効果そのものは、東京都の試算では国内経済の波及効果は約3兆円でしかない。実際には、現政権が規制緩和をどのくらいできるかで株価の上昇が続くかどうかが決まりそうだ。

 とはいえ、建設、不動産などはもう大きく買われるなど、特にゼネコン業界は2020年までは先行きが明るそうだ。


決定の瞬間、フェンシングの太田雄貴選手(右)
 業界は、90年代から国交省や自治体からの公共工事の発注が減少し、また、談合に対しても厳しくなる一方で、ゼネコンの工事粗利益率も減少の一方だったという。利益率は10%を切ることはもはや当然のような状況が続いていたという。

 ゼネコン不況が長引いていたわけだが、業界関係者は「公共工事の不足を補うためにマンション建設にも参入しましたが、価格競争はどこも厳しくトントンで良しとする風潮があって、赤字受注なんていうことも、あるにはありましたからね」と話す。

 マンションより公共工事というシフトを強めることは間違いない。それと同時にマンション建設は人手不足が始まり、マンション価格の値上がりが始まるなど、30代あたりの潜在購買者層は苦労しそうだ。

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