将来は70歳定年制、消費税25%
日本の財政が年々悪化していることは説明するまでもないが、平成25年度一般会計予算では、国債費が全体の24.0%を占める約22兆2415億円。インフレにより、たとえ金利が1%上昇しただけでも、ここから利払いが増大する。比較して租税収入は約43兆円で、ここ数年の間変化がない。社会保障費や国債の利払いなどの増加が見込まれ、今後も予断を許さない状況だ。
また、日本国債の先物市場に目を転じれば、外国人投資家の売買シェアは3割以上を占めており、売り浴びせのターゲットになり、そこから崩れる可能性もないわけではない。
中原氏は「財政危機はあるかもしれませんし、ないかもしれません。ただ、破綻は絶対にないと思います。世界のどの国も日本の破綻を喜ばないし、IMF(国際通貨基金)でさえ助けるほどのお金や力は持っていませんから」という。
破綻がない一番の根拠としては、国民の大増税という自力再建の選択肢が残されているからだ。まだまだその増税の余地がある。
「とても今の社会保障制度では保たないので、最低でも定年退職を70歳に引き上げて、消費税を20~25%に引き上げるしかないですね。もっと厳しくなっていきますから、高齢者にも負担をしていただかなくてはならなくなるでしょう」
年金の積立運用を行うGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では、すでに基金の取り崩しが始まっており、現役世代だけの負担ではまかないきれなくなる。そうしたことからも、制度維持のためには、高齢者も負担が必要になってくる。
ただ、こうして手をこまねいているだけでは、先は暗い。次ページでは、成長戦略をいくつか触れてみたい。