米国の収入の高い方から上位1%の層の2012年の収入が全体の19%を占め、世界大恐慌前年の1928年以来最大の割合となったことが、UCバークレー校の研究結果でわかった。上位1%は2008年のリーマンショック以降の回復が早いが、その他99%はわずかな上昇にしかすぎず、結果的に貧富の差が拡大していることにもなる。
上位1%は2007、08年の金融危機で31%も資産を減らしているものの、回復も早く、2009年から12年までの間に31.4%も上昇。一方でその他99%はわずか0.4%の上昇にとどまっている。この数字も1%には入らないものの、上位層が平均を押し上げているだけで、下位層はマイナスであることが想像できる。
下の数字は各政権の時期に絞った集計結果を集めたもの。ここでも上位1%が好況時には大きなリターンをあげていることが分かる。
全平均 上位1% その他99%
1993~2012年 17.9% 86.1% 6.6%
クリントン政権 31.5% 98.7% 20.3%
(93~00年)
ITバブル崩壊 -11.7% -30.8% -6.5%
(00~02年)
ブッシュ政権 16.1% 61.8% 57%
(02~07)
金融危機 -17.4% -36.3% -11.6%
(07~09年)
回復期 6.0% 31.4% 0.4%
(09~12年)
バブル崩壊時には上位1%の落ち込み幅は大きいが、回復時には大きく回復する。一方でその他99%層も、回復期にはちゃんと回復をしていたものの、09年からに関しては回復の力が弱く、その点が過去とは異なることがわかる。
上位1%に関しては、増税を前に株式や不動産などの資産を駆け込みで売却したことがその要因の一つ。富裕層の資金を税制を変更することで、動かすことができることをここでも示した。