ロシアのプーチン大統領が米紙NYタイムズにシリアへの軍事介入を批判する論文を寄稿したが、米メディアの間では、なぜかまた、この「影の世界一の大富豪」の資産について取り上げ始めている。
ブルームバーグは「Vladimir Putin, the Richest Man on Earth」(プーチンは地球一の金持ち」、CNBCは「Putin on the Ritz? Russian said to have billions」(プーチンリッチ? 数十億ドル以上はあるはず)と取り上げられている。
しかし、これに対して英ガーディアン紙は当時、400億ドル(約4兆円)の資産を持つのに、たった17万9612ドルとはどういうことだ、などと異論を唱えていた。
ロシアメディアの報道によると、内訳としては、政府から受け取る首相給与、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の年金、保有するサンクトペテルブルク銀行株の配当金など。また、不動産20、車3台、ヨット4隻、他には、ガスプロムなどの株式、リュドミラ夫人の資産は複数の銀行口座に840万ルーブル(約2100万円)あるという。これが表向きの資産ということになる。
なぜ、「影の世界一の大富豪」と呼ばれるようになったかと言えば、ウィキリークスが400億ドル以上だと暴露したことで、疑念を持たれるようになったのだ。もちろん、正式に本人は否定している。
だが、今回ブルームバーグは400億ドルから700億ドルとも報じており、「表の世界一の大富豪」ビル・ゲイツ氏に匹敵する存在となる。
キプロスの預金封鎖で、真っ先に異を唱えたのはロシアのプーチン大統領でもあった。これは、領土・領海権、同国沖のガス田開発の権利を主張する意味が表向きは強いのだが、実際にはロシアからのお金が多いとされていただけに、プーチン氏の資金もあったのではないか、との憶測も呼んだ。
ロシアは現在、役人や国会議員らの要職に就く人間は海外口座への資産移転は禁じられるよう法改正されている。フラットタックスが導入されているロシアだが、それでも脱税目的を防止しなければならないとは腐敗の度合がわかるが、証拠は現在まで出てきていないプーチン氏の資産は安泰だろう。